期間 | 2017-2019年度 |
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研究代表者 | 富沢 寿勇(静岡県立大学) |
AA研所員 | 床呂 郁哉,飯塚 正人,黒木 英充,外川 昌彦,西井 凉子,錦田 愛子,吉田 ゆか子 |
共同研究員 | 新井 和広,今泉 慎也,岡本 正明,小河 久志,奥島 美夏,金子 奈央,川端 隆史,黒田 景子,菅原 由美,鈴木 伸隆,辰巳 頼子,坪井 祐司,福島 康博,見市 建,森 正美,Shamsul Amri BAHARUDDIN,Ahmad Najib BURHANI,Azizah Binti KASSIM,Omar Farouk SHEIKH AHMAD |
期間 | 2014-2016年度 |
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研究代表者 | 富沢 寿勇(静岡県立大学) |
AA研所員 | 西井 凉子,黒木 英充,飯塚 正人,床呂 郁哉,錦田 愛子 |
共同研究員 | 今泉 慎也,小河 久志,奥島 美香,金子 奈央,川端 隆史,黒田 景子,塩谷 もも,菅原 由美,鈴木 伸隆,左右田 直規,辰巳 頼子,福島 康博,見市 建,森 正美,Azizah Kassim,Julkipli Milhon Adduk,Omar Farouk,Shamsul Amri Baharuddin |
期間 | 2011-2013年度 |
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研究代表者 | 床呂 郁哉(AA研) |
AA研所員 | 飯塚 正人,黒木 英充,津田 浩司,西井 凉子,宮崎 恒二 |
共同研究員 | 新井 和広,今泉 慎也,小河 久志,川端 隆史,黒田 景子,塩谷 もも,鈴木 伸隆,富沢 寿勇,福島 康博,見市 建,森 正美,Datu Michael Masutura, Azizah KASSIM,Shamsul Amri Baharuddin |
本研究は東南アジアのイスラーム並びにイスラームを取り巻く文化多様性を対象に、複数の分野(人類学、歴史学、政治学、宗教学等)の研究者の協働によって学際的・実証的に研究するものです。本研究は東南アジアのイスラームが東南アジア域内の多文化的状況下でいかに実践されているかを明らかにすると同時に、中東など域外を専門とする研究者や華人研究者らをもメンバーに加えることで、東南アジアにおけるムスリム社会がどのようにアラブ中東世界など域外のイスラームの影響や交渉を通じて固有のアイデンティティを形成してきたか、あるいは東南アジアの多文化的状況のなかでムスリムと非ムスリムはどのような関係を切り結んでいるのか、といった問題について各地のフィールドでの比較研究を踏まえて具体的に解明することを目指します。
本研究の具体的な研究目的としては大きく分けて以下の三点を想定しています。(1)東南アジアの多文化的状況の中でのムスリム社会のアイデンティティの解明:文化的な多様性を特徴とする東南アジアにおいてムスリムと非ムスリムはどのような関係性を保ち、相互交渉するなかで互いの文化・社会的アイデンティティを(再)構築しているのかという東南アジア域内の多元的文化状況下でのイスラーム(ないしムスリム社会)の位置づけの検討。(2)中東など域外のイスラームと東南アジアのイスラームはどこまで共通性があり、どこからが異なるのか、という両地域の比較を通じた検討による解明。ならびに両者間の影響関係の解明。(3)公共領域への影響:イスラームが東南アジアで政治や経済、紛争や平和構築といった領域に及ぼす影響の解明。以上、三点です。
次に本研究課題の意義について述べたいと思います。まず中東でのイスラーム研究に比して、東南アジア地域研究の分野でイスラームに焦点化した研究が開始されたのは相対的に近年であり、中東などでの研究蓄積に比して必ずしも十分に展開されているとは言い難い面があります。他方で、現在の東南アジアにおいてイスラームはますますその社会的影響と重要性を高めつつあるのが現状です。本研究によって東南アジアの多文化的状況のなかでのイスラームとムスリム社会の実態や、中東との共通性と差異を解明することは、単にこれまでの東南アジア地域研究の文脈でのイスラームないしムスリム社会研究の立ち遅れを埋めることに寄与するだけではなく、さらに東南アジアと中東を含みこむインド洋海域世界を通じたトランスナショナル(ないしグローバル)な文化の移動の動態を解明するという点において、AA研の掲げる研究課題である「グローバル化時代における多元的世界の現状と発展の可能性」や基幹研究「中東・イスラーム圏における人間移動と多元的社会編成」、及び基幹研究「人類学におけるミクロ-マクロ系の連関」といった研究にも寄与することが期待されます。