アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)は、2008年3月1日にマレーシア国サバ州コタキナバル市に海外拠点「コタキナバル・リエゾンオフィス(略称KKLO)」を設置しました。同オフィスは、本学が平成17年度から5年計画で実施している中東イスラーム研究教育プロジェクトの一環として設置したもので、ベイルートに既に設置した中東研究日本センターに続く同プロジェクトによる2番目の海外拠点です。
KKLOは、東南アジアにおける政治・社会・文化に関する総合的学術研究拠点として、サバ州政府により設立されたサバ開発研究所(Institute for Development Studies [略称:IDS])の全面的な協力により、同研究所内に設置しました。設置に先立ち、2008年2月26日にはAA研大塚和夫所長が同研究所を訪問し、協定書及び海外拠点設置に関する覚書に署名しました。また、3月6日には、同拠点の開所を記念して、「サバ及び周辺地域における文化の多様性に関する国際ワークショップ」を開催しました。同ワークショップは、サバ開発研究所、マレーシア・サバ大学、サバ州立博物館の共催を得て約60名が参加しました。拠点設置にあたり支援をいただいた在コタキナバル総領事館の森田幸一総領事からの祝辞の後、3つのセッションで、7つのプレゼンテーションがなされました。その後もKKLOにより日本人研究者によるコタキナバルでの現地講演会や、逆にマレーシアをはじめとする東南アジアからの研究者を日本に招いての国際ワークショップなどを定期的に開催しています。
なおKKLOの位置するサバ州は、ブルネイ、インドネシア、フィリピン等の東ASEAN成長地域、南シナ海及びインド洋の交差点にあたり、多様な文化の交流地域を形成しています。AA研は、アジア海域世界のダイナミズムの解明にとって最適なこの地を研究拠点とし、マレーシア、日本及び関連諸国の研究者と関係者に利する多様な国際共同研究プログラムを今後とも推進していきます。2022年度からは、これまでの活動を踏まえつつ【東南アジアのイスラーム圏におけるトランスカルチャー状況と社会的動態】を新たな活動目標として設定し、
AA研基幹研究「社会性の人類学的探究:トランスカルチャー状況と寛容/不寛容の機序」とも密接に連携しながら引き続き積極的に共同研究や学術交流・社会還元等を実施していく予定です。
(オフィス長:床呂 郁哉)
Kota Kinabalu Liaison Office, ILCAA-TUFS
Institute for Development Studies(IDS), c/o, IDS lot2-5, Wisma Sedia, Off Jalan Pintas, Penampang, Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia
Phone: +60-88-450500